光陽荘の皆さんにとって、お楽しみと一つである 自動販売機。特別なものではないけれども、特別な工夫をしています。それは…
購入の際に押すボタンの上に『点字の表記』がしてあります。点字については、世の中でも良く知られる『視覚障害の方が使う文字』として認識されてきていると思います。なので…
コインの投入口には『コイン』、お釣りが出てくるところには『返却(へんきゃく)』と点字の表記がある自動販売機が、一般的に目にすることが多くなってきました。商品が出るところには…
『取り出し口(とりだしぐち)』と点字の表記がしてあります。様々な商品にも点字の表記がされるようになり、良く目にするビールや缶酎ハイなどには『おさけ』、『ソース』の表記があるもの、なんとシソのふりかけ『ゆかり』にもついてます。
とても大切な情報ですが、この点字には弱点?特徴?があって、文字の大きさが一つしかありません。なので商品名『エナジージム ストロング』や『ゼリー×スパークリング味わいグレープ』ですが、それぞれを全部点字表記することが『わかりやすい』ことにつながるばかりではありません。
また、点字を使う視覚障害者は全体の1割程度ともいわれます。お気に入りで定番の100円ボタンに触ってわかる目印も一つの工夫。そして、商品の入れ替えがあると…表示も変えて、目印も移して…という作業が必要です。視覚障害の方が自動販売機を利用する際、『ロシアンルーレットみたい』と言われる方がいます。
一人ではそうなってしまいますよね。見えている人に手伝ってもらう際も、ちょっとした気遣いで『本当に選びたいもの』に早くたどり着きます。『何があるの?』に対して、『左上から…』と説明していくのではなく、『温かいの?冷たいの?』から『お茶?コーヒー?ジュース系?』など、分類ごとに求めているモノを聞いていくのです。全て知りたい!という方も、もちろんいるでしょう。商品の入れ替えの際は、皆さん『ワクワク』するようで、何度も聞かれる方もいます。
さて、コンビニやスーパーに買い物へ一緒に行った際、カップ麺のコーナーで『どんなのがあるの?』と聞かれ丁寧に、そして頑張って全部の説明をしたエピソードがあります。でも、最初の方や覚えていたい品数には限界がありますよね。最後の方で説明したカップ麺を選んだ方、多かったかな。
最後に…先程の説明のコツ、この前提にとても大切なポイントがあります。それは一方通行にならないコミュニケーションです。表記が全てではない、言って終わりではない。そこに『相手を思う気持ち』がないと、せっかくの設備も支援もどこか見当外れになってしまいます。秋空で肌寒い陽気になってきて…温かい飲み物が恋しくなるなぁと自動販売機を見て…ふと思った秋の一コマでした。
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