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2022.04.22

光陽荘

暮らしの小窓『暮らしの中の音・生活リズム』

瑞々しい新芽が目に心地良いこの季節。光陽荘は茶畑に囲まれた環境であります。お茶の産地である菊川市では、この時期は同報無線で『茶摘み』のメロディーが朝と夕方に流れ、気持ちの良い朝と一日の労いを町中で共感しています。

さて、私たちの周りには、環境として知るリズムとして、いつも見るテレビやラジオなど、自ら得ようとする情報と、お寺の鐘・学校のチャイムなど生活環境として飛び込んでくる情報があります。お隣の雨戸をあける音や電車の通過音が、暮らしの中でポイントとなる人もいるでしょう。

個人的に自ら時刻を知るには時計を用い、光陽荘では『音声時計』を長年愛用している方がいます。そして、細やかなリズムを自ら作り出しています。さて、光陽荘という施設としての音による環境は…

節目節目にチャイムやアナウンスが流れます。起床から朝のラジオ体操、食事の知らせ、就寝の合図。開設当初から、若干の変更はあれど、暮らしの中に『館内放送』は馴染んでおり、光陽荘においてはこれが『普通の毎日』です。

チャイムによってリズムを知り行動に移る。チャイムがある事で『自律』が促される方もいる。いつも鳴っている節目のチャイムが鳴らないことで、落ち着かなくなったり、不安になったりする方もいる。

規則正しい暮らしを送るのには、便利で具合が良いように思えます。24時間サイクルで365日、同じ様にチャイムとアナウンスが流れる環境。光陽荘では『いつもと同じ』が大切な方達が確かにいます。

その反面として、現在の社会の中で、地域の中で、起床から就寝までチャイムやアナウンスがある生活は『普通』といえるだろうか。時代やその背景によって『何が適するのか』や『普通』は変化してきました。

しかし、それを必要とされてきた理由もある。そんな中で…支援をする私達は、今迄の在り方に甘んじるだけではなく、そこに『どうしてか?』という視点を持ち、時代を反映する感覚や感性を常に持っていたいものだ。

『個別支援が大切』と言われ、集団から個の視点に移行して久しい現在、こういう感性を失う事無く、何が適するのかを考え続け実践し続ける支援者でありたい。

この時期しか流れない『茶摘み』のメロディーは、日々のリズムだけでなく季節を知らせる心憎い演出。関わる人達にも、そんな心地良い環境を整え、日々の暮らしを彩り、豊かなものにしていきたい。茶畑を眺めながらそう思う今日この頃です。

 

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